2012年1月22日日曜日

コダック経営破綻に…

コダックか経営破綻におちいった。

学生時代、手に入れた中古の一眼レフで、演奏会写真の撮影にのめり込んだ。会場は暗く、フィルム現像では増感処理など工夫しなければならなかった。もっぱらモノクロ写真です。
当時、モノクロ高感度フィルムといえばコダックのTRI-X、そして階調性の良いPLUS-Xなど、国産に比べても高価だった。
西新宿に店を出したばかりのヨドバシカメラで35ミリフィルムの100フィート缶(30.5m)を購入し、パトローネに小さく巻き取っては使ったものだった。

カラー写真の世界では、コダックはまさに独壇場だった。コダクロームやエクタクロームなどプロ用リバーサルフィルムが世界を席捲していた。

そのコダックは、一方では普及用インスタントカメラ用のフィルム規格を次々に提唱しては、規格に沿ったカメラとともに世に送り出してきた。
1960年代の「126カートリッジフィルム」、
1970年代の「110フィルム」、
1980年代の「ディスクカメラとフィルム」、
1990年代の「APS」など…これは日米共同規格
日本のフィルムメーカー、カメラメーカーは振り回され(あるいは需要を喚起され)後手後手を余儀なくされた。それでもインスタント指向の規格と真逆の高級感で対向していたことを思い出す。

『デジタルカメラを世界初で開発した…コダック』…と、今となっては皮肉な捉えられ方もするけれど、商品開発の流れを見ると、これ自体は驚くに当たらない。

世界標準を作ってきた企業、大きな影響力を持ってきた企業でも破綻する。

(追記)今日のNHK日曜美術館で紹介されていた『木村伊兵衛のパリ』の作品は1954年時点のパリをカラーフィルムで撮ったもの、それも開発途上の富士カラーフィルムで撮ったと言われている。今となっては、芸術作品であると同時に貴重な記録写真にも思える。ちなみにASA感度10 これで、「パリの夕暮風景」を手持ちで撮影している…驚異的。レンズは開放F値1.4(ニッコールレンズ)と言われているが…

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